「奴らがこの宿場町を離れる前に……必ず、殺せ」

 冷ややかな瞳であたしを見つめる伝達役に。

 あたしも、小さく頷いただけで答えた。





 何度目かの、Aランク任務。

 あたしは、砂隠れの里の紋章の刻まれた額あてを、結び直した。











忍としての道


前編












 その宿場町は、火の国の中心部からやや外れた、木の葉隠れの里近くに存在していた。

 あたしが訪れていた理由は、木の葉の里の戦力に関する情報収集だったのだけれど、拠点としていた宿場町に、木の葉の忍が任務で来ていることを知り、風影様へ報告したのがそもそもすべての始まりで。

 木の葉の忍の任務の内容までは、正直分からない。こちらの動きを悟られたのかとも思ったけれど、奴らは何かを探しているようで、結局その目的までを知ることは未だ出来てはいない。

 だが……こちらの動きを悟られないように行動しなければならないのは、状況的に変わらない事実。何しろ、現在砂を抱える風の国と火の国は、友好関係にある。忍を使って火の国や木の葉の状況を探っているのだと知れたら、国家間の問題に発展しかねない。

 しかし、ただの情報収集なんかに、砂の里の上忍であるあたしがなんで狩り出されているのかというと。
 6年前の木の葉崩しと呼ばれる争いの後、激減した忍。先代の風影様は、その争いで音の大蛇丸に殺されており、砂の忍も大多数が犠牲になったためだ。その後、風影を決める際にも少しもめたこともあり、今、砂の忍は人員不足。特別上忍辺りで良い情報収集を行っているのは、絶対的な里の忍の少数化だったりする。


 そんなこんなで、この宿場町に入ってから1ヶ月。定期的に連絡にやってくる伝達役に、木の葉の忍のことを報告すると、返答は殺せ、ときたもんだ。ただ木の葉の忍が何かを探しているらしい、と風影様に伝えただけだってのに……なんでそんなに慌てる必要があったのだろうか。

 ということは、風影様は、奴らが何を探しているのか知っているのだろうか。戦力の情報収集の他に、あたしが何かすることがあるのだろうか?

 だが、下された命令は『抹殺』のみ。

 なんだろう。この違和感は。何か……重要なことを見落としている気がする。



 けれども分かることは、木の葉の忍をこのまま生かしておいては、邪魔な存在になるということ。

 

 ………ならば、実行するだけだった。















さん!」
「あ、うずまきさん。それに、うちはさん」

 店の前で水をまいていたあたしにかかる声。それは、木の葉の額あてをした忍二人……うずまきナルトとうちはサスケの両名のうち、うずまきナルトの声だった。

 あたしは調査の間、宿場町の宿の女中として住み込みで働いていた。情報を集めるには、その町の生活に溶け込むのが一番だ。

 雇ってもらえるところを探し、今に至る。

「おはようございます。お二人共」
「おう! おはようだってばよ!」
「……ああ」

 いつでも明るい、うずまきナルトと、言葉少なげで落ち着いた雰囲気を持つ、うちはサスケは実に対照的だった。2人共、年の頃はおそらく20前、といったところだろう。あたしと同じくらいだ。

 だが、力量が全く測れない相手でもあった。中忍か、特別上忍辺りだろうとは思われたが。相手の力を事前に調べておくのも、攻略する手段の内の一つだが……直接強いか弱いかを聞くわけにもいかないし、木の葉に住んでいる彼らのことを、宿場町の町人に聞くのもおかしい。
 これで上忍だなんて話だったら、2人いっぺんに相手をするのは正直キツイ。殺る場合には、離れてもらうか、絶対に勝てる手段を選ばないと。

「なあなあ、さん。今日何時ぐらいに仕事終わんの? オレっちと飲みに行かない?」
「ありがとうございます。でも今日は夜まで仕事がありますので……」

 ナルトが誘ってくるのはいつものことで、顔をあわせれば飲みに行こうと声をかけてくる。そんな彼を冷ややかに見つめながら、結局助けてくれるのはサスケの方で。

「無理を言うな。このウスラトンカチが」
「あ〜。なんだとー! サスケだって、さんと飲みに行きたいって言ってたじゃんか!」
「言うか、この馬鹿!」
「あんなこと言ってるけど、ホントなんだってばよ!」

 こうやって、二人は毎日この道を通っては、どこかへ出掛けて行くのだ。その後を一度つけてみたことがあるけれど、この辺りを歩いただけで終わっていた。

 結局、何が目的なのかも分からないままだった。




 そんな二人とあたしが、何故話すようになったかといえば。

 話は、数日前に遡る。



 毎夜。明け方まで駆け回っていたせいで、少し疲れを感じ、頭に重みを抱えて水をまいていた時。

 偶然、通りかかったナルトに、あたしがまともに水をかけてしまったせいだ。


 普通の忍なら、難なくかわしていただろう。だが、うずまきナルトは避けもせず、顔面に水を浴びた。
 それを謝ったことから、話すようになり……こうして挨拶を交わす間柄になった。


 察するに……あたしが中忍辺り、と考えるのはそんな理由からだ。いくら何でも、下忍ではないだろう。二人組の任務は、下忍にはさせないのがどこの里でも共通の一般論だ。


「じゃ、またな〜!」
「………じゃあな」

 ナルトとサスケは、仲良く並びながら、今日もどこかへと出掛けていった。あたしはその背をじっと見つめていた。




「ちょっと、さん。あの二人と知り合いなの!?」

 2人が立ち去った後。向かいの女郎屋に勤める女が、あたしに走り寄ってきた。名前は……なんて言っただろうか。紹介されたが忘れてしまった。女郎屋に勤めて相当経つようで、長い黒髪の妖艶な女だった。

 年齢よりも幼く見えるあたしとは違う。


「ええ。ちょっと……」

 曖昧に答えると、女は悲鳴に似た歓喜の声を上げる。

「どちらでも良いから、今度紹介してよ!」
「……え?」
「あの二人って、うずまきナルトとうちはサスケでしょ? 今の木の葉を担う、優良株!」
「優良株?」
「やあだ。知らないの〜。うずまきナルトは、ちょっとやんちゃ坊主な感じで、一緒にいてスッゴク楽しいし、優しいし。うちはサスケは、あのアンニュイな雰囲気がいいのよね〜。それに二人共顔が良いし、強いし! ファンの女の子たちも多くて、今木の葉の忍の中でも一番人気じゃないの!」

 ……へえ。

 あたしは女の言葉に、素直に感心する。



 一介の町人に知れ渡っているほどの有名人。加えて、強いときた。しかも、里から少ししか離れていないとはいえ、こんな田舎の宿場町まで情報があるということは……。




 ヤバイじゃないの。





 やれやれ。風影様も酷な命令をお出しになる。そんなに強いと評判の相手を、二人共殺せって? しかも見た感じからすると、サスケの方には色目は効かない感じだし、何よりも、ナルトの方は全く掴めないし。笑顔っていうのが何よりの仮面だということを熟知しているようにも見える。



「それでは後日、貴方のところへ行くように、二人には伝えておきます」
「やった! 頼んだからね!」
「はい」

 貴重な情報を提供してくれた女は、いそいそと店に戻っていく。これだから、まずは町に溶け込むのが一番になるのよね。

 だって、こんな意外な方向から敵の情報が舞い込んでくるのだから。




 水桶を持ち、再び水まきを再開しながら。

 あたしは、去っていった二人の、もう見えない背中を再び見つめた。




 その背を追いかけることは、一回でやめた。何故なら……罠のような、そんな直感があったからだった。




 ……さあて。どうするか。


 でも、まあとりあえず。

 まずは……ナルトの誘いに乗ってみることから始めよう。そう考えた。



















さんが本当に付き合ってくれるなんて、オレってば、予想もしてなかった!」
「毎日誘っていただいてるのに……本当にゴメンなさい」
「いーって、いーって。それより、今日はお仕事じゃないの?」
「はい。今夜はお休みです」


 あたしの言葉に、やったあ! と小躍りするナルトに、あたしは微笑みかける。

 人気がある。そう彼らが言われるのも分かる気がした。

 あたしはナルトの誘いに乗って、夜、酒場を訪れていた。酒場といっても、大衆食堂ような雑多な空間ではなく、照明も暗く落とした雰囲気の良いバーだった。客層も恋人同士らしい男女しかおらず、あたしとナルトは窓際の、町の外の明かりがカーテン越しに見えるカウンターに座った。

 あたしの今日の服装は、下に一応忍服を着込んでいたため、着物だった。この着物、というのは案外使える服で、さすがにベストまでは無理だが、忍服のボタンを開けて広げておけば、ほとんどバレないのだ。

 いつも一緒にいるサスケには、くだんの女郎屋を紹介し、あたしの友達がいるから是非にと勧めておいた。一瞬訝しげな表情を浮かべたサスケだったが、ナルトにも促されて、今頃は女と仲良くやってるはずだ。


 結局。あれから彼らのペースは変わらない。同じ時間に店の前で会い、二、三言葉を交わすだけ。そこからどこかへ行き、話しながら散歩のようなことをして、町へ帰ってくるだけだ。忍鳥を飛ばして数日確認させてみたが、それを繰り返しているようだ。

 やはり、何かを探しているか、罠か……それ以外に考えられない。大方の予想だが、彼らはこの宿場町に他国の忍が潜んでいることをどこかで知り、調査に訪れているのだろう。真昼間に、堂々とこの大通りを歩いているくらいだ。ついてこいと誘っているようにしか思えない。

 そうして、気配を掴まれたら最後。戦いは避けられない。

 が。かといって、このまま受身な彼らと膠着状態でいるわけにもいかない。危険であることは十分承知していたが、こちらからアクションを起こさない限り、ずっとこれが続くのも考えものだ。そんな悠長な時間はあたしにはない。彼らのせいで、夜もまともに動くことが出来ないのだ。どこかで探られているような気がしてならない。

 情報収集は、ひとまずこの町ではやめた方が良いだろう。今日の今にでもこの町を離れるべきだろうが、風影様の命令もあるため、退却するなら早急にこの二人を殺すしかない。それで、この宿場町に見切りをつけ、一旦国へ帰ろう。風影様も、あたしが忍を殺した後、一度国へ戻ることはご承知のはず。

 あたしの行動が、木の葉に漏れてはいけないのだから。



 そう結論付けて、あたしはここに居る。

 ナルトを殺す……チャンスを伺うために。


「にしても今までの夜の仕事って、まさか、さん……」
「もう。何考えてるんですか。給仕の仕事ですよ」
「あ、あははー。だよねえ。オレもそう思ったってばよ」

 頭の後ろに両手をあて、あはは、と笑うナルトを見つめながら、あたしは手元に置かれた酒を一口飲んだ。



 本当に、話していて飽きない人間だった。うずまきナルトという人間は。

 子供のように無邪気に、他愛ない出来事を面白おかしく話してくれる。


「……そんでさあ。サスケのヤツさあ。いつもはあんなクールな顔して、宿の朝飯に納豆が出ただけで、顔をしかめてんの」
「うちはさん……納豆お嫌いなんですか?」
「もう、超がつくほどキライなんだってばよ。でも、運んできてくれたのが、オレたちの泊まってる宿を経営してる親父さんの、まだ7、8歳の女の子で、サスケがメシ食うのをじっと見てるんだって」
「へ〜」
「親に『お兄ちゃんたちみたいに何でも食べないと、大きくなれない』なんて言われちゃったもんだから、サスケのヤツ納豆残すに残せなくて……」
「それでどうしたんですか?」
「どしたと思う? さんは」

 碧眼の瞳で、あたしを覗きこんできた彼の仕草に、ドキリとする。

「……うーん」
「当たったら、この店オレのおごりだってばよ」
「そんなことさせられませんよ」
「オレが誘ったんだからいーの! それで、どっちだと思うってば?」
「……食べた、でしょうね」
「ブッブー。ハズレ! 答えは残した!」

 正解を嬉しそうに話すナルトの横顔を、あたしはじっと見つめていた。くるくる表情の変わる彼と一緒に時間を過ごすことは、とても……楽しい。

 ほのかな、淡い感覚が。全身を包んでいく。

 けれどその正体が一体何なのか。見当がつかない。

「残しちゃって、大丈夫だったんですか? 女の子が見てるのに……」
「もー、冷や汗ダラダラよ? その時のサスケ。かなり迷ったんだろうなー」
「言い訳は?」
「『おなか痛いから、先にトイレへ行ってくる』」
「あははは。苦しい言い訳!」
「それから30分は戻ってこなかったってばよ」


 本当に他愛ない話だったけれど、そんな話をしている間も一瞬たりとも気を抜かない彼に、寒気を覚えたことも事実だった。





 バレてる……?


 あたしが、忍だって。





 でもそれなら、サスケはあたしたちについてくるだろう。でも、彼はナルトの説得もあり、女郎屋へと出向いた。いや、待て。ナルトがわざわざサスケを離したということは、あたしに対する下心か、それともあたしを油断させるためか……。

 考えるほどに堂々巡り。裏の裏を読みすぎて、どれが本当か分からなくなる。



「その間に、両親と女の子は行っちゃったから良かったけど、アイツ、戻った時にもしまだ女の子が居たら、どうする気だったのかなあ〜」

 無邪気な笑顔を作るナルトに、あたしもつられて微笑んだ。


「本当に仲が良いんですね。うずまきさんとうちはさんは」
「……さん」
「はい?」
「そのさ……『うずまきさん』ってやめてくんない? なんか、慣れないってばよ。里にいるみたいで」
「里?」
「オレってば、木の葉の里の忍なんだけど……最近里でも『うずまき上忍』とか呼ばれてるから、何だか嫌なんだってばよ」


 ……『上忍』!?


「だから、ナルトでいいって」
「………分かりました。ナルトさん」
「本当は呼び捨てでいいんだけど……」
「じゃあ、あたしも呼び捨てにししてください。あたしもこれからはナルトって言いますから」
「ホント!? その方が調子出るってばよ!」


 なるほど。彼は上忍か。ならば、サスケの方も上忍だろう。

 会話の中で偶然得られた事実に、あたしは身震いがした。

 最悪の状況だ。

 久しぶりに、本気でかからなければならない相手になるだろう。そんな予感がした。



「はい?」
「その……聞いても良い?」
「なんですか?」

 恥ずかしそうにもじもじと言う仕草に苦笑しながら、あたしは彼の言葉に耳を傾けた。


「なんで……木の葉のこと嗅ぎ回ってんの?」


 あまりにもさらりと、自然に飛び出してきたナルトの言葉に、あたしは表情を作ることが出来ずに大きく目を見開いてしまった。

 その様子を目の当たりにして、今まで彼のまとっていた空気が一変する。



「やっぱりな。てめえか」
「!!」


 身体を引いて、椅子から飛び降りようとしたが、あたしの腰にナルトの左手が回される方が早かった。引き寄せられる時にあたしの左腕を一緒に拘束されてしまい、下から彼の顎へと向けて繰り出した右の拳は、簡単に抑え付けられてしまった。

 さらに距離が縮まり、全身にぞくりと寒気が走る。

 暗闇の中の男女。傍から見れば、睦言を交わしているようにしか見えない。が、殺気を放出するナルトをそれなりの人間が見れば、恐怖に立ち竦むだろう。


 真正面からそれだけで人を殺せそうな気を、こんな間近でぶつけられて。

 身体が震えてくることを、抑えることは出来なかった。


「殺気っつーのは、2種類あるんだ。常人の放つあからさまなヤツだけども、殺傷能力など微塵もない意識と、俺たち忍の放つ、人間の視神経を直接刺激するものと。普通の人間には、どちらも同じものだが……忍であるが故、後者に関して特に敏感なのは隠しようもないな」

 唇が触れ合うほどに近いナルトの顔。声が回りに聞こえないように、静かに、けれどどこか楽しげに言う。


「さっきとは……別人ね」
「この空気の中で、話す気力はある、か」
「……………………」
「言え。どこの里の忍だ?」


 力を込めて振り払おうとしたが、絶対的に力の差というものが、男と女の間には存在する。ましてや、忍としての鍛錬を積んだ相手に、物理的な反抗を試みるのは無駄だ。
 だが、あたしも彼も両腕が使えないから、事態が動くことはないだろうけれど。



 しかし……このままでいるわけにもいかない。


「拷問にかけられたいのかよ?」
「あたしも忍よ。拷問ぐらいで、吐くと思う?」
「そうか………。そうだな」
「?」
「じゃあ……拷問よりも楽しいことをするか」
「え?」

 聞き返した言葉は、彼の唇によって塞がれていた。あまりに突然のことで、咄嗟に対応が遅れる。唇をこじ開けられて、舌の侵食を許してしまう。


「!!」


 その間に、何かを流し込まれる。錠剤……のようなもの。

 ヤバイ。薬だ。


 そう判断して呑み込まないように抵抗してみたものの、強引に割って入ってくるナルトの舌の動きによって喉の奥に流し込まれて、反射的に呑み込んでしまった。




 ある程度の薬には耐性があるものの、一体何の薬だったのかという未知のものへの恐怖が湧き上がる。


 が。ナルトはあたしが薬を呑み込んだことは分かっているくせに、唇を離そうとはしなかった。角度を変えて、貪るように激しく、舌を絡ませてくる。


 鼻をつくのは、感じたことのなかった彼の匂い。


 あたしも忍だ。だが、一目で男性の目を惹く色香の備わっていなかったあたしは、こういったことへの耐性が若干、欠けていた。


「ん……」


 自然と声が漏れて、あたしはハッとした。何を感じているんだ。敵のキスなんかに!


 思いっきり噛み付こうとしたが、その前に唇が離れた。唾液がお互いの顎を伝わり、落ちていく。

「はあ……はあ……」

 奪われた呼吸を取り戻して、あたしは彼を見上げた。


「今回は見逃してやるから……失せろ」


 器用に肩で唇を拭ったナルトが、不敵に笑う。その笑みは、先程まで浮かべていたものとは全く異質で、彼の二面性が伺えたような気がした。


「……嫌だと、言ったら?」


 あたしの答えを、まるで予感していたかのように。

 さらに歪んだ笑顔をあたしの前で見せた。


「殺す」



 その言葉を聞いた瞬間、あたしは頭突きを彼に食らわせ、ひるんだところで手を振り払った。


「!!」

 驚いたナルトが、あたしの手を再び拘束しようと手を伸ばした瞬間に、あたしの術が完成する。


「瞬身の術!」


 ここは、逃げるしかない!


 屋根の上へと逃げ場を作り、あたしは夜空の真下に降り立った。その場所は、3階建ての長屋形式で連なる建物で、この宿場町は、こういった建物が縦横無尽に列挙されている。




 冗談じゃない。上忍の中でも、ケタが違う!

 短いやり取りの中で、あたしは彼の実力を垣間見た。

 あの殺気を思い出し、一瞬ぞくりとしたが、口元を拭ってから一旦引こうと駆け出そうとしたあたしは、ぴたりと足を止めた。






「……よお。アンタだったのか」







 ……これぞまさに、絶体絶命ってヤツ?





 待ち構えるようにそこに立っていたのは、うちはサスケその人で。









 いつの間にか目の前に立っていた、姿と声を認め、あたしは苦笑いを浮かべるしかなかった。




















あの、注意なんですが……。

NARUTOドリームの中でも、
ナルト相手に直接的に卑猥な表現がこの後出てきます。
このシリーズは、かなりえっちいです。

見て、嫌悪を抱いても、文句は受け付けません。
それでも全然OK!
という方のみこのままお進みください。







つぎへ          とっぷへ